このページではPremiere Pro のボリューム調整と音声バランスの調整方法について解説しています。Premiere Pro では様々なパネルや方法で音量や音声バランスを調整することができます。全てを覚える必要なないので、このページを参考に自分なりの方法を見つけていただければ幸いです。
素材をタイムラインに配置
まずはタイムラインに素材を配置します。
タイムラインに素材を配置方法など、基本的な使いかたは以下よりどうぞ
映像と音声の分離と削除
ドラッグアンドドロップなど、通常の方法で映像素材をタイムラインに配置すると音声も同時に配置されます。映像と音声はリンクしているので、どちらか一方だけ使いたい場合は、そのリンクを切ってから不要なものを削除する必要があります。

- 分離したいタイムライン上のクリップを選択して、右クリックします。
- メニューから「リンク解除」を選択します。映像と音声が別々の素材として選択できるようになります。移動、削除など個別に可能になります。元に戻したい時は、2つの素材を選択して右クリック、「リンク」を選択します。
- 不要な映像または音声のクリップを選択して、[Delete]キーを押して削除します。
音量調整
オーディオ調整のメインパネルは、「オーディオ」ワークスペースにあります。
また、音量調整には大きくわけて、「トラック」単位で行う方法と「クリップ」単位で行う方法があります。

※注意:「オーディオ」ワークスペースを開くと、「オーディオトラックミキサー」パネルと「オーディオクリップミキサー」パネルがあります。Adobeによると「トラック」単位の調整は「オーディオトラックミキサー」パネル、「クリップ」単位の調整は「オーディオクリップミキサー」を使います。
ただし機能的に重複していたり、使い方によってはどちらでも良い場合があります。また、同じトラックの中に複数のクリップがある場合は「オーディオクリップミキサー」は使えません。
「トラック」単位の調整
トラック単位で音を調整します。

「オーディオ」>「オーディオトラックミキサー」(または「オーディオクリップミキサー」)パネルを開いて調整します。
「クリップ」単位の調整
「オーディオクリップミキサー」から行う方法

クリップ単位で音を調整します。
「オーディオ」>「オーディオクリップミキサー」パネルを開いて調整します。
※ただし、同じトラック上に複数のクリップが混在している場合は、「オーディオクリップミキサー」は使えません。
タイムラインから行う方法

トラックの上下をドラッグして広げて見やすくします。そしてクリップの中の線を上下にドラッグすることで音量の調整できます。
最大音量の調整「オーディオゲイン」
- クリップを右クリックして、メニューから「オーディオゲイン」を選択します。またはショートカット[G]キー押します。
- ダイアログで「最大ピークをノーマライズ」にチェックを入れると、クリップの「最大音量を基準」に調整してくれます。
「エフェクトコントロール」で音量調整

- 「エフェクトコントロール」パネルを開きます。
- 音量を調整したいクリップを選択して、「エフェクトコントロール」の中にある「ボリューム」>「レベル」の値を調整します。
ペンツールで部分的な音量調整
「ペンツール」を使ってクリップの一部分のみの音量を調整することができます。

- タイムラインのトラックを縦方向にドラッグして表示を大きくします。
- ツールパネル「ペンツール」を選択します。(ショートカット[P]キー)
- タイムライン上の音量を調整したい箇所をクリップして、キーフレームを打ちます。
- 修正したい箇所のキーフレームを上下にドラッグして音量を調整します。

[Ctrl]キーを押すと[<]マークに変わります。その状態でキーフレームをドラッグするとハンドルを引き出すことができ、イージングを付けることができます。
「エッセンシャルサウンド」パネルを使った音量調整
タイムライン上の調節したいクリップを選択します。

画面右「エッセンシャルサウンド」>「編集」>「ミュージック」(BGMの場合)をクリックします。「エッセンシャルサウンド」が表示されていない場合は、メインメニュー「ウィンドウ」>「エッセンシャルサウンド」をチェックします。

「クリップボリューム」で音量を調整します。
なお、「エッセンシャルサウンド」>「参照」から「Adobe Stock」を利用してBGMをダウンロードすることもできます。

音量バランスの調整
映像の中で音量がバラバラだったり、音割れするような場合の調整方法です。
「オーディオゲイン」で調整する方法

- 音量を統一したいタイムライン上のオーディオクリップをすべて選択します。
- 右クリックして「オーディオゲイン」を開きます。
音量バランスを調整する方法は以下の2種類があります。必要に応じて使い分けます。
- 「最大ピークをノーマライズ」:選択したクリップの最大値のみを平均化します。
- 「すべてのピークをノーマライズ」:最大値以外にも影響を与え、小さな音の音量も平均化します。
とりあえず「最大ピークをノーマライズ」を「-3dB」くらいから試すと良いと思います。
「エフェクト」で調整する方法
「ダイナミック」エフェクト

プロジェクトパネルの「エフェクト」を開き、検索窓から「ダイナミック」を検索します。

- タイムライン上のクリップに「ダイナミック」をドラッグアンドドロップします。
- 「エフェクトコントロール」パネルに「ダイナミック」の設定が表示されます。

- 「編集」をクリックします。
- 「クリップFXエディター」が開くので、必要に応じてそれぞれのパラメータを調整します。各パラメータの意味は以下になります。
- AutoGate:「しきい値」未満のノイズを削除します。LED 表示は音声がゲートを通過しているときは緑色で、音声が通過していないときには赤色になります。「アタック」「リリース」「停止」時には黄色になります。
- コンプレッサ:大きい音と小さい音の差を少なくします。「しきい値」の値を超えた音量に対して圧縮がかかります。「比率」は「しきい値」を超えた音量に対しての圧縮率で、数値が大きいほど圧縮率が強くなります。「アタック」は「しきい値」を超えてから圧縮が適用されるまでにかかる時間で、数値が大きいほどゆっくり圧縮がかかります。「リリース」は「しきい値」を下回ってから圧縮が解除されるまでにかかる時間で、数値が大きいほどゆっくり圧縮が解除されます。
- エクスパンダー:特定のしきい値に達しない音声を減衰することで音声信号のダイナミックレンジを拡大します。「比率」を使ってダイナミックレンジの変化を制御します。
- リミッター:しきい値を超えた音量をカットします。0未満に設定すると音割れを防ぐことができます。信号が制限されるとLEDメーターが点灯します。「リリース」は「コンプレッサ」のリリースと同様、音量が「しきい値」を下回ってから圧縮が解除されるまでにかかる時間で、数値が大きいほどゆっくり圧縮が解除されます。
設定項目が多くて訳わかりませんが、通常は「コンプレッサ」で音の差を少なくして、「リミッター」で音割れを防ぐ感じです。
「Multiband Compressor(マルチバンドコンプレッサー)」エフェクト

- プロジェクトパネルの「エフェクト」を開き、検索窓から「Multiband Compressor」を検索して、タイムラインの音声クリップにドラッグアンドドロップします。
- 「エフェクトコントロール」に「Multiband Compressor」の設定が表示されます。

- 「編集」をクリックします。
- 「クリップFXエディター」が開くので設定していきます。

設定はプリセットを使うと簡単に設定ができるのでおススメです。
手動で設定したい場合は、以下の Adobe サイトをご参考に