スタビライズ
映像内の指定したポイントを追跡する「モーショントラッキング」を使うと、ポイントの軌跡に連動してテキストなどを動かすことができます。逆に、そのポイントの位置を固定(スタビライズ)して、そこを中心として映像全体を動かすこともできます。マスクとマスクの中身を固定したい場合や、画面のブレを抑えたいときに使うことができます。
タイムライン上のスタビライズしたいクリップを選択します。

メインメニュー「アニメーション」>「モーションをトラック」をクリックします。

画面右に「トラッカー」が表示されます。
- 「スタビライズ」をクリックします。
- 「トラックポイント1」の枠をドラッグしてスタビライズしたい岩を囲みます。

ドラッグしている最中は拡大表示されます。外側の枠は対象が動いたときの検索範囲です。検索範囲を大きくするとズレ難くなりますが処理に時間がかかります。

「分析:」の再生ボタンをクリックして分析を開始します。コマ送りや逆再生での分析もできますが、特に理由がない限りは順再生を選びます。分析が完了するまでしばらく待ちます。

分析が完了するとプレビューに軌跡が表示されます。問題なければ「適用」をクリックして映像に反映させます。「モーショントラッカーオプション」ダイアログが表示されるので、X軸Y軸の両方向に動いていれば「XおよびY」を選択して「OK」をクリックします。
完成図
再生して、ターゲットの岩が固定された位置で再生されれば完成です。(ターゲットが固定位置で再生されるため、映像の一部が切れていきます。)

マスクにスタビライズ映像を表示する
背景映像は動いているので、その一部をトラッキングしてマスクをかけると、マスクも動いてしまいます。この方法を使うと、固定したマスクの中に背景の動画の一部を固定することができます。
まず、タイムラインにマスク用の映像を読み込んで、スタビライズした映像の上に配置します。

- 今回は「楕円ツール」を選択します。
- 適当な個所に楕円を描きます。
- 「反転」をチェックして、背景の映像を切り抜きます。
楕円マスクの変形

- 「選択ツール」をクリックします。
- タイムラインのマスク用クリップを選択します。(ポイントが〇になります。)
- 楕円のパスをドラッグすると変形します。
楕円マスクの移動

- 「選択ツール」をクリックします。
- タイムラインのマスクレイヤーを選択します。(ポイントが□になります。)
- 楕円をドラッグすると移動ができます。
スタビライズ映像を移動する
スタビライズした映像(背景)がマスク内に表示されるように移動します。

- タイムライン上のスタビライズした映像(背景)を選択します。
- プレビュー上をドラッグすると、スタビライズした映像を移動させることができます。
- 四隅のハンドルをドラッグすると拡大・縮小することもできます。
完成図
背景の映像は本来動いていますが、固定位置のマスクに収まっています。

「ワープスタビライズ」で手振れ補正

手振れ補正が目的の場合は、簡単な操作で使える「ワープスタイライズ」があります。これは「スタビライズ」と違い、映像内の一部分ではなく映像全体を「スタビライズ」します。
映像全体をスタビライズするため、スタビライズしたいターゲットの指定などは不要で、「ワープスタビライズ」ボタンをクリックするだけで分析・処理ができます。
Premiere Proの「ワープスタビライザー」
「ワープスタビライズ」はAfter Effects だけでなく、Premiere Pro にもあります。
「エフェクト」パネル「ビデオエフェクト」>「ディストーション」>「ワープスタビライザー」を手ぶれ補正したいクリップにドラッグアンドドロップして利用することができます。