DaVinci Resolve は、PSDが読み込めることと、連番の静止画を取り込むと映像として配置されるので、その挙動を利用してパラパラ漫画が作れるのか実験してみました。最終的には、DaVinci Resolve だけでは効率が悪すぎ、PSDの編集に関しては Photoshop参戦となりました。
DaVinci Resolve での連番画像と PSD 読み込み
まずは、DaVinci Resolveでの連番画像の扱いや PSD の扱われ方などを調べてみました。
DaVinci Resolve の対応画像フォーマット
DaVinci Resolve に取り込み可能な画像フォーマットは、JPG、PNG、PSD、TIFFなどの一般的なフォーマットの他、Canon の CR2 や Nikon NEF などのRAWフォーマットに対応しています。
DaVinci Resolve の対応フォーマット一覧:DaVinci Resolve 16 Supported Formats and Codecs
https://documents.blackmagicdesign.com/SupportNotes/DaVinci_Resolve_16_Supported_Codec_List.pdf
連番画像の扱いかた
パラパラ漫画風の映像
DaVinci Resolve は連番の静止画像ファイルを取り込むと、自動的に映像ファイルとして認識されます。言い方を変えると、連番の静止画像をまとめて DaVinci Resolve にドラッグアンドドロップすると、勝手にパラパラ漫画風の映像になります。
ただし、GIF フォーマットに対応していないので、アニメーション GIF を取り込むことはできません。PNG で作成するか、あるいは GIF アニを MP4 に変換してから取り込むなどする必要があります。

連番画像を映像ではなく一枚画像として扱う
それぞれを一枚画像として扱いたい場合は、連番にしないか、一枚ずつ取り込むか、あるいは以下のように「メディアストレージ」の右上の”丸3つ”をクリックして、「個々のフレームを表示」をクリックします。これで個々の静止画像として扱えます。
メディアページに移動します。

- 「メディアストレージ」タブをクリックし、検索横の”丸3つ”をクリックします。
- 「個々のフレームを表示」をクリックします。

これで一枚画像として、「メディアプール」に取り込んだりできるようになります。
DaVinci Resolve で PSDファイルを扱う

タイムラインへ PSD を配置します。

Fusionページへ移動して、「インスペクタ」>「Image」>「Layer」をクリックすると、読み込まれたレイヤーが確認できます。(DaVinci Resolve 17.1 にて確認)

ここで、レイヤー名「008.png」を選択して、エディットページに戻ってみます。

エディットページにも、Fusionページで選択したレイヤーが表示されています。このように DaVinci Resolve では、PSD のレイヤーは全て読み込むことができますが、タイムライン上に表示できるのはそのうちの一つだけです。
結果、タイムライン上に配置した PSD のレイヤーはそのまま維持されますが、レイヤーの数だけクリップが作られるわけではないので、すべてのレイヤーを使って映像を作ろうとしたら、手作業でレイヤーの数だけクリップを作らないとなりません。
ということで、DaVinci Resolve に PSD を読み込んで、DaVinci Resolve で PSD を編集しようというのは、かなり無理があります。PSD 1枚=1レイヤーで読み込むか、以下の Photoshop のアセット書き出し機能を使って、PSD ではなく、連続画像を読込んだ方が何十倍も効率的なようです。
Photoshop アセット書き出し
Photoshop のアセット書き出しは、簡単にいってしまうと、レイヤー名に拡張子を付けると勝手にその形式の画像を吐き出してくれる夢の機能です。
アセット書き出しの使いかた
レイヤー名に書き出したい拡張子を付けます。ファイル形式は、JPG、GIF、PNG、SVG に対応しています。

- レイヤー名に、拡張子を付けたファイル名をつけます。
- 「ファイル」>「生成」>「画像アセット」をクリックします。(「画像アセット」を一度クリックすると、 PSD を修正するたびに勝手に更新されるので、その都度書き出す必要はありません。)

画像アセットは、PSD ファイルと同じ階層にサブフォルダが作られ、その中に保存されます。PSD がまだ保存されていない場合は、デスクトップの新しいフォルダに保存されます。
命名規則オプション
レイヤーのファイル名に拡張子を付けるだけでなく、色々なオプションがあります。
※特殊文字の : および * はレイヤー名には使用できません。
サイズを指定する
レイヤー名の先頭に、書き出したいサイズを記載します。すると同時にファイルが書き出されます。
サイズの単位は、px(省略化)、in、cm、mm、% に対応しています。
例
横150px×縦100pxのPNG画像:150×100 xxx.png
PSD上の2倍サイズのPNG画像:200% xxx.png
横300mm×縦20㎝のPNG画像:300mm x 20cm xxx.png
※必要な出力画像サイズを指定するときは異なる単位とピクセル数を混合できます。

画質を指定する
PNGの画質を指定する
PNGは 8、24、32の中から画質を指定できます。
例
8bitのPNG画像:xxx.png8
32bitのPNG画像:xxx.png32
JPGの画質を指定する
JPGは 0~100%の画質を指定することができます。
例
画質78%のJPG画像:xxx.jpg78%:
画質70%のJPG画像:xxx.jpg7
※画質は10%単位であれば「0%」を省略できます。
複数書き出す
ひとつのレイヤーから、複数の画像を書き出すこともできます。
その場合は、ファイル名をカンマで区切ります。
JPGとPNGなど、ファイル形式を混在させることも可能です。
例
xxx.jpg78%, xxx.png24
xxx.png8, 200% xxx@2x.png24

アセット書き出しの初期設定
生成されるアセットに対して初期設定を指定することもできます。
空のレイヤーを作成して、レイヤー名の先頭にキーワード default を付けます。次に画像アセットに適用する設定を入力します。
default サブフォルダ名/

サブフォルダ名で指定したサブフォルダの中にすべての画像アセットを生成(移動)します。
他にも、以下のような初期設定が使えます。
- 「default サブフォルダ名/@2x」:サブフォルダ名配下にすべての画像アセットを生成します。さらにアセット名にサフィックスとして @2x を付加します。
- 「default 50% サブフォルダ名/」:画像を 50% 縮小して、サブフォルダ名配下に保存します。
画像アセットの自動生成を無効にする
ファイルを修正すると自動で書き出されるアセットですが、環境設定を変更すると自動生成を中止することができます。
- 「編集」>「環境設定」>「プラグイン」をクリックします。
- 「Generator を有効にする」のチェックを解除して、「OK」をクリックします。
完成図

DaVinci Resolve でパラパラ漫画は作れるのかを実験してみました。
DaVinci Resolve の PSD 対応は最低限のもので、緊急避難的な方法と思いました。DaVinci Resolve で PSD を読み込むのではなく、Photoshop で作成した連番画像を DaVinci Resolve に読み込んだ方が、クオリティも効率も格段に良いという結論です。