マッチムーブとは
マッチムーブは、映像の中の対象物をトラッキングすることによって、その動きに合わせてテキストやイラストが一緒に動くようにする方法です。DaVinci Resolveでは、Fusionページまたはカラーページで行うことができます。
なお、タイトルを「はめ込み合成」にしましたが、動体に追従するピクチャーインピクチャーともいえます。ピクチャーインピクチャーは以下よりどうぞ
トラッカー
DaVinci の Fusion には3つのトラッカーが用意されています。
Fusionページを開きます。
「Effects」>「Tools」>「Tracking」にトラッカーはあります。


- Camera Tracker:映像内をトラッキングして 3D空間作り、映像内の対象物と3Dオブジェクトなどを連動させる方法です。
- Planar Tracker:次の「Tracker」の上位ツール的な位置にあります。多くのトラッキングポイントを作れるため、正確なトラッキングが可能です。
- Tracker:数点のポイントをトラッキングすることができます。3つの中では一番簡単なトラッカーです。
テキストのマッチムーブは以下よりどうぞ
エディットページ
素材の読み込み


エディットページで作業します。(カットページでも可)
背景映像とはめ込み映像(上図)を用意して、それらをタイムラインにドラッグアンドドロップして配置します。
この時、はめ込み映像を上に配置すると混乱しないで済みます。
DaVinci Resolve の基本的な使いかたは以下よりどうぞ
「新規Fusionクリップ」の作成


タイムライン上の2つの映像を選択(枠が赤くなります)して、右クリックして「新規Fusionクリップ」を作成します。


2段だったトラックがひとつの「Fusion Clip1」になります。
Fusionページ


Fusionページに移動します。ノードエディタの背景用とはめ込み用のノードを確認します。
※ノードをビューワーに表示するには


ビューワー表示の切り替えは、それぞれのノード下の丸をクリックします。右に表示したい時は右丸をクリック、左に表示したい場合は左丸をクリックします。なお、ノードを選択して、数字の[1](左ビューワーに表示)、または[2](右ビューワーに表示)でON/OFFをすることもできます。
トラッカーの設置「Planar Tracker」


「エフェクトライブラリ」タブをクリックして、左メニュー「Effects」>「Tracking」>「Planar Tracker」をドラッグアンドドロップまたはクリックで配置します。


またはショートカットで、[Shift]+[space]キーで「Planar Tracker」を検索して「Add」することもできます。なお、ドラッグアンドドロップした場合以外は、適当に他のノードと接続されてしまうので修正が必要です。


「Planar Tracker1」を上図のように接続しなおします。(今回の場合、「Merge1」は最終的に不要になります。)
背景映像のトラッキング「Track to end」
背景映像をトラッキングして、はめ込み映像がずれないようにします。


まず、背景映像のはめ込み位置を緑の枠をドラッグして設定します。


プレイヘッドをスタートまで戻します。(プレイヘッドを戻さないとエラーになります)
「インスペクタ」の「Track to end(上図赤枠)」をクリックすると、トラッキングを開始します。ビューワーにトラッキングの様子がプレビュー表示されます。
トラッキングを映像の途中から行いたい場合


プレイヘッドを開始位置に移動します。「インスペクタ」>「Reference Time」の「Set」をクリックします。これでスタートフレームがセットされます。
背景映像のはめ込み位置「Corner Pin」を設定する
背景映像をマスクして、はめ込み映像を表示させるような感じです。


「Planar Tracker」の「Operation Mode」を「Corner Pin」に変更します。
ビューワーで赤い枠が表示されるので、その4点をはめ込みたい位置に合わせます。
はめ込み映像の接続


はめ込み映像を「Planar Tracker1」に接続します。「Planar Tracker1」をビューワーに表示すると合成されている様子を確認できます。




最後に「Planar Tracker1」と「MediaOut1」を接続します。「Merge1」ノードは不要なので削除します。エディットページでも確認可能になります。
完成図


以上で完成です。