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Photoshop:選択範囲の作り方

選択範囲とは

Photoshop に限らず、画像処理ソフトで選択範囲を作ることは、最も基本的で最も重要な作業です。画像を合成する際にはまず選択範囲を作って切り抜く必要がありますし、部分的に露出や彩度を変えたりする際にもまず選択範囲を指定しなければなりません。なので選択範囲を作ることはとても重要ですが、細かく地味な作業でもあります。
しかし、最近は Photoshop に AI が導入されたことで驚くほど早く正確に選択範囲を作ることができるようになってきました。このページではAdobeの人工知能「Adobe Sensei」を使った選択方法から解説していきたいと思います。

選択範囲を指定する方法

選択範囲の指定方法にはこれから説明するように様々な方法があります。
選択範囲を指定すると、選択された領域が点線で表示されます。また、選択範囲の解除は画面のどこかをクリックするだけで簡単に行うことができます。

選択ツールの使い方

選択範囲を指定する作業はチカラ技の手作業になることも多いですが、作業の中心ではないので、出来るだけ早く効率的に進めたいものです。なので楽ができそうな AI 自動選択ツールから解説していきます。

自動選択ツールを使う

ワンクリックで選択範囲が作れてしまう夢の機能です。「夢」なので目を覚ますと失敗していることが昔は良くありました。でも最近導入された AI 技術のおかげで、かなり精度が上がって楽になったように思います。自動選択ツールには、以下の3つがあります。

Photoshop:選択範囲の指定方法:自動選択ツールを使う
  • オブジェクト選択ツール
  • クイック選択ツール
  • 自動選択ツール
オブジェクト選択ツール
Photoshop:選択範囲の指定方法:オブジェクト選択ツール

Adobe の AI「Adobe Sensei」を使った選択範囲の作成方法です。被写体を枠で囲うと「Adobe Sensei」が被写体を勝手に感知して選択範囲を自動生成してくれるというオシャレな機能です。

「被写体を選択」(2020 年 6 月リリース)

「被写体を選択」を使用すると、画像中の主要な被写体をワンクリックで選択できます。AI を使って、人物、動物、乗り物、おもちゃなど、画像に含まれる様々な題材を認識するよう学習されています。
さらに「選択とマスクワークスペース」を使うと新規レイヤーに書出しまでやってくれます。

被写体を自動的に選択
Photoshop:選択範囲の指定方法:被写体を自動的に選択
Photoshop:選択範囲の指定方法:被写体を自動的に選択
オプションバー
  1. 「オブジェクト選択」、「クイック選択ツール」または「自動選択ツール」を選択します。
  2. オプションバーに表示された「被写体を選択」をクリックします。
  3. 選択範囲が作られます。
  4. 「選択とマスクワークスペース」をクリックします。
  5. 今回は微調整なしで、「出力先」に「新規レイヤー」を指定して、「OK」をクリックしてみました。
「選択範囲とマスク」の使い方は以下よりどうぞ
おまけ:AI といえば、「空の置き換え」に感動した話

「編集」>「空を置き換え」を使うとワンクリックで曇天の空が青空になってしまいます。今まで何十分もかけてやっていた作業は何だっかのか…

Photoshop:選択範囲の指定方法「空の置き換え」に感動した話
クイック選択ツール
Photoshop:選択範囲の指定方法:クイック選択ツール

これもAdobe の AI「Adobe Sensei」を使った選択範囲の作成方法です。被写体をなぞっていくと、被写体のエッジを探して選択範囲を作ってくれます。

自動選択ツール
Photoshop:選択範囲の指定方法:自動選択ツール

クリックした箇所の色を基準に、同色または近似値の領域を検出して、選択範囲を作ってくれます。このツールは昔からあるので、AI ではないはずです。
近似値の調整は、オプションバーの「許容値」や「隣接」で設定します。

Photoshop:選択範囲の指定方法:自動選択ツール
  • 「許容値」を大きくするほど近似色の範囲も広がります。ゼロにした場合はクリックした箇所と同じ色のみが対象になります。
  • [隣接]にチェックを入れると、クリックした箇所に隣接した近似色だけが選択されます。チェックを外すと、画像全体の中のすべての近似色が選択されます。

単純な選択範囲

画面右上のツールバーの中にある四角い点線のツールがあります。
長押しすると、以下の4種類の選択ツールが表示されます。

Photoshop:選択範囲の指定方法「長方形選択ツール」単純な選択範囲
  • 長方形選択ツール
  • 楕円形選択ツール
  • 一行選択ツール
  • 一列選択ツール
Photoshop:選択範囲の指定方法

必要なツールを選択し、選択したい箇所を選択します。

正方形(または真円)を作る方法
Photoshop:選択範囲の指定方法:正方形(または真円)を作る方法

選択ツールを選択し、[Shift]キーを押しながらドラッグすると、正方形(真円)を作ることができます。ドラッグ中に[Shift]キーを押しても同じです。

選択範囲の始点を指定する方法
Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の始点を指定する方法

選択ツールを選択し、[Alt]キーを押しながらドラッグすると、最初にクリックした箇所を始点にすることができます。ドラッグ中に[Alt]キーを押しても同じです。

正方形(または真円)を任意の箇所から作る方法
Photoshop:選択範囲の指定方法:正方形(または真円)を任意の箇所から作る方法

上記2つの組合せ、[Shift]+[Alt]キーを押しながらドラッグすると、クリックした箇所から正方形(または真円)を作ることができます。

複雑な選択範囲

クリックやドラッグで自由に作る選択範囲には3種類の選択ツールがあります。

Photoshop:選択範囲の指定方法:複雑な選択範囲
  • なげなわツール
  • 多角形選択ツール
  • マグネット選択ツール
「なげなわツール」の使い方
Photoshop:選択範囲の指定方法「なげなわツール」の使い方

ドラッグした形に選択範囲が作られるツールです。
マウスから指を離すと、始点と終点が結ばれて選択範囲が完成します。

「多角形選択ツール」の使い方
Photoshop:選択範囲の指定方法「多角形選択ツール」の使い方

クリックした点を直線で結んだ形の選択範囲を作ることができます。範囲を閉じるときも始点と終点をクリックして結びます。個人的には手動で選択範囲を作る場合、確実なので一番使用頻度が高いです。

「マグネット選択ツール」の使い方
Photoshop:選択範囲の指定方法「マグネット選択ツール」の使い方

始点をクリックしたあとは、被写体の輪郭に沿ってマウスを動かすと自動的に選択範囲を作れます。まともに選択範囲が作れる確率が一番低く、修正により多くの時間がかかるので、個人的には一番使用頻度が低い選択ツールです。

「色域指定」で選択範囲を指定する方法

Photoshop:選択範囲の指定方法「色域指定」で選択範囲を指定する方法
Photoshop:選択範囲の指定方法「色域指定」で選択範囲を指定する方法

「選択範囲」>「色域指定」を選択します。
ダイアログのプレビューをクリックして選択範囲を指定します。選択範囲を足したい場合は[+]のついたスポイト、引きたい場合は[-]のついたスポイトを使用します。
選択範囲の指定が終わったら、「OK」をクリックします。

クイックマスクモード

Photoshop:選択範囲の指定方法:クイックマスクモード

マスクという名前ですが選択範囲を指定するための機能です。クイックマスクモードは選択範囲を赤いマスクで表示し、ブラシや消しゴムツールで範囲選択の編集をすることができます。

Photoshop:選択範囲の指定方法:クイックマスクモード
ブラシツールで編集
Photoshop:選択範囲の指定方法:クイックマスクモード
消しゴムツールで編集

編集が終わったら、もう一度「クイックマスクモード」のボタンをクリックすると、点線の画面に戻ります。

選択範囲の操作方法

解除

Photoshop:選択範囲の指定方法:解除

選択範囲は画面上のどこかをクリックすることで、簡単に解除することができます。
または、ショートカット[Ctrl]+[D]キーでも解除できます。

選択範囲の編集

選択範囲は編集することができます。

選択範囲の追加と削除

Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の追加と削除
  • [Shift]キーを押しながら([+]のマークが現れます)、追加したい箇所をドラッグします。
  • [Alt]キーを押しながら([-]のマークが現れます)、削除したい箇所をドラッグします。

移動

Photoshop:選択範囲の指定方法:移動

マウスでドラッグすることで移動することができます。

選択範囲の反転

Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の反転

メインメニュー「選択範囲」>「選択範囲を反転」を選択すると選択範囲が反転します。
ショートカット[Shift]+[Ctrl]+[I]キーを使うと、押すたびに反転を繰り返します。

選択範囲の変形

Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の変形

「選択範囲」>「選択を変形」を選択して、自由変形と同様にハンドルをドラッグして変形させます。

選択範囲の拡張・縮小

Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の拡張・縮小
Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の拡張・縮小

「選択範囲」>「選択範囲を変更」>「縮小」を選択すると、ダイアログからピクセル単位で縮小させることができます。
また、ダイアログの「カンバスの境界に効果を適用」をチェックすると、カンバス端の選択範囲も縮小されます。

「選択範囲」>「選択範囲を変更」>「拡張」を選択すると、上記の選択範囲の縮小と同じ要領で、選択範囲が拡張されます。

選択範囲を滑らかにする

Photoshop選択範囲を滑らかにする

「選択範囲」>「選択範囲を変更」>「滑らかに」を選択すると、ダイアログで指定した値で角丸になります。また、ダイアログの「カンバスの境界に効果を適用」をチェックすると、カンバス端の選択範囲も角丸になります。

選択範囲の境界をぼかす

「選択範囲」>「選択範囲を変更」>「境界をぼかす」を選択すると、ダイアログで指定した値で角丸になり、さらに選択範囲の外側をぼかすことができます。

選択範囲の保存と読み込み

指定した選択範囲は、チャンネルにアルファチャンネルとして保存したり、それを読み込んだりすることができます。

選択範囲の保存

Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の保存
Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の保存
ダイアログ

「選択範囲」>「選択範囲を保存」を選択して、ダイアログで任意の名前をつけて「OK」をクリックします。

Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の保存
Photoshop:選択範囲の指定方法:選択範囲の保存

すると「チャンネル」パネルに、アルファチャンネルとして選択範囲が保存されます。

選択範囲の読込み

方法1:メインメニューから

Photoshop:選択範囲の指定方法:メインメニューから


「選択範囲」>「選択範囲を読み込む」を選択します。
ダイアログで、読込みたい選択範囲のアルファチャンネルを選んで「OK」をクリックします。

方法2:「チャンネル」パネルから

Photoshop:選択範囲の指定方法「チャンネル」パネルから
  1. 「チャンネル」パネルのアルファチャンネルをクリックして選択します。
  2. 「チャンネルを選択範囲として読み込む」ボタンをクリックします。
Photoshop:選択範囲の指定方法「チャンネル」パネルから

選択範囲が読込まれたら、「RGB」の目玉マークをクリックしてオン、選択範囲の目玉マークをクリックしてオフにします。

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